慰謝料の分割払い
最終更新日 2022年12月13日
例えば、お互いの合意で慰謝料の金額を200万円と決めたものの、一括で支払うことができないといったケースが多々あると思われます。
このような場合に、分割払いにするとどのような問題が生じるのでしょうか。
合意書だけ作成した場合
合意書だけ作成し、調停調書や公正証書を作成していない場合、慰謝料を支払わない相手方の財産について差し押さえるためには、訴訟を提起し確定判決を得るなどしなければなりません。
そうなると、手間暇がかかりますので、分割払いの合意をする場合には、公正証書を作成しておくことをお勧めいたします。
相手方の資力に問題がある場合
仮に、公正証書を作成していたとしても、相手方が無職になった場合など、差し押さえる財産がないということが多々あります。
ないところからは取りようがないので、下手をすれば、慰謝料の大部分を回収できないといった問題があります。
したがって、分割払いの合意をすれば、回収が不可能となるリスクが発生いたしますので、極力一括での合意もしくは大部分は一括で支払っていただくことをお勧めいたします。
自営業者の場合
慰謝料を支払わない相手方が会社員や会社役員ではなく自営業者の場合、給料や役員報酬の差し押さえができないため、不動産や預金口座などを把握していなければ、差押えをすることができません。
したがって、この場合も、資力に問題がある場合と同様、回収が不可能となる可能性があります。
合意の内容に問題がある場合
当事者間で月々3万円の慰謝料を支払うといった内容の合意書を交わすことがあります。
ただ、弁護士が入らずに作成された合意書は不備が散見され、法的効力に問題があるケースが多いです。
例えば、弁護士が合意書を作成する際には、いわゆる期限の利益喪失条項や遅延損害金条項を盛り込むことが多いです。
詳しくは、当事務所にお気軽にご相談ください。