アスペルガー症候群(発達障害)の夫と離婚できるのか?
最終更新日 2022年12月13日
アスペルガー障害(アスペルガー症候群)とはご存知でしょうか。
こちらの記事では、アスペルガー症候群(発達障害)の夫と離婚できるのか?について解説します。
- 夫とコミュニケーションが取れない
- 夫は宇宙人のようである
- 夫と心を通わせられないので、離婚できないだろうか
そうした思いを抱く女性は多いようです。
結婚当初は、ちょっとした違和感であったものが、日常生活におけるさまざまなトラブルを経て、夫はどこかおかしいのではと思うようになることがあります。
そして、ある日、テレビやネットで「アスペルガー」情報に接したことをきっかけとして、「ひょっとして夫はアスペルガーではないか?」との疑問が生まれ、その疑問が夫との日々の生活において確信に変わるようです。
それでも、子育て中は子どものことを第一に考え、何とかやり過ごすのですが、子育てが一段落し、今後も夫と一緒に過ごすのかと改めて考えると、とうていムリであることに思い至るケースがあります。
では、アスペルガーとはどのような精神疾患なのでしょうか。
アスペルガーとはどのような精神疾患なのか
精神疾患の世界的基準であるDSM-5によれば、アスペルガー障害は自閉症などとともに、自閉スペクトラム障害という精神疾患に包括されることとなりました。
自閉スペクトラム障害は、
- 対人コミュニケーションと対人的相互反応の欠陥
- 行動、関心、活動における限定的で反復的な様式
という2つの中核的な領域の欠陥によって特徴づけられるとされます。
そのようにお伝えすると、「夫に限定的で反復的な行動などはない」というケースも多いのではないでしょうか。
そのようなケースは、自閉スペクトラム障害ではなく、コミュニケーション障害の1つである社会的コミュニケーション障害であるかもしれません。
社会的コミュニケーション障害は、言語やコミュニケーションの社会的な使用において基礎的な困難さがあることが特徴です。
そして、コミュニケーションの社会的ルールを理解し従うこと、聞き手や状況の要求に合わせて言葉を変えること、会話や話術のルールに従うことの欠陥によって明らかになるとされます。
平たく言えば、空気を読む、言外の意図を汲み取る、人の気持ちを察するといったことが苦手ということでしょうか。
そして、社会的コミュニケーションの欠陥は、効果的な会話、社会参加、社会的な対人関係の発達、学業成績、職業的遂行能力に機能的な制限をもたらすとされます。
アスペルガー障害ではなく、社会コミュニケーション障害でも離婚は可能?
以上を前提とすると、ご主人は、アスペルガー障害ではなく、社会的コミュニケーション障害を有することが多いのではないでしょうか。
とはいえ、離婚を検討するうえでは、ご主人がいずれの精神疾患に分類されるかは重要ではありません。
離婚を検討するときに重要なのは、素人目に見て、夫に何らかのコミュニケーション障害が疑われる状況が長年続き、今後もそうした状況が改善されないとすると、おそらく夫と添い遂げられない、ということです。
※誤解を招かないように補足しますが、もちろんアスペルガー障害やコミュニケーション障害をお持ちの方を差別する趣旨ではありません。
ところが、こうしたケースでは、夫にDVや不倫といったわかりやすい離婚原因がないこと、おそらく夫に自覚がないことから、どのように離婚してよいかわからないことが多いようですが大丈夫です。
こうした夫と離婚することは十分可能です。
ただ、しかるべき手順と注意点があります。
夫がアスペルガー障害ないしコミュニケーション障害ではないかとお悩みの方は、お気軽に当事務所にご相談ください。
カサンドラ症候群にお悩みの女性が増えている?
アスペルガー障害や社会コミュニケーション障害の疑いがある夫と離婚することは可能ということを紹介してきました。
夫を含む家族の誰かがアスペルガー障害であり、コミュニケーションがとりづらく、心への負担やストレス、不安障害から抑うつ状態などになることをカサンドラ症候群と言います。
しかし、アスペルガー障害と思われるパートナーが外向きの環境ではうまくできていることもありますので、そういった場合に「自分が変なのかな?」と感じる方もいます。
対人関係においてコミュニケーションが取れないのは心的ストレスも大きくなります。
当事者同士では離婚の話し合いが進まないこともありますが、弁護士が間に入ることで離婚の話をスムーズに進めることもできます。
ご相談者の中には、自分はカサンドラ症候群ではないかと疑問を持たれる方もいらっしゃいますので、お気軽に当事務所にご相談ください。