年金分割でいくらもらえるか知りたい

年金分割でいくらもらえるか

最終更新日 2022年12月13日

  • 年金分割すると、結局、年金をいくらもらえるのだろうか
  • 年金分割しない場合と比べ、どの程度増減するのか・・
  • そうしたことを知るにはどうしたらよいか

これらは、年金分割を考えている方が最も強く関心を寄せることかと思います。

こうしたことを知るには、年金事務所で、情報提供請求を行い、情報通知書を入手することが必要です。

この点については、請求する方が50歳未満の場合と50歳以上の場合で異なります。

50歳以上の場合

請求する方が50歳以上の場合、希望すれば、年金見込額を教えてもらえます。

具体的には、情報提供請求の際、「年金分割のための情報提供請求書」という紙の「請求者(甲)の年金見込額照会」欄において、年金見込額照会について「希望する」に丸印を付け、希望する年金の種類について「老齢厚生年金」に丸印を付け、希望する按分割合について「50」と記入します。

年金分割の按分割合(分ける割合のことです。)は、上限が50%ですが、通常、50パーセントとするケースがほとんどですので、希望する按分割合は「50」でかまいません。

すると、数週間後に交付される「年金分割のための情報通知書」という紙に、按分割合の範囲(たとえば「30%を超え50%以下」など)が記載されています。

そのほかに、「年金分割を行った場合の年金見込額のお知らせ」という紙も交付され、そこに、按分割合50%(上限)の場合と、年金分割を行わない場合のそれぞれの年金見込額が記載されています。

ただ、あくまで回答の少し前の年金記録に基づく見込み額であり、その後にもらう給与や賞与、年金制度の変化により、実際の支給額は変わってくることに注意が必要です。

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50歳未満の場合

これに対し、50歳未満の方の場合、年金見込額は教えてもらえません。

つまり、情報提供請求の際、「年金分割のための情報提供請求書」という紙の「請求者(甲)の年金見込額照会」欄において、年金見込額照会について「希望する」に丸印を付けても、「年金分割のための情報通知書」は交付されますが、「年金分割を行った場合の年金見込額のお知らせ」は交付されません。

ですが、そもそも老齢厚生年金の報酬比例部分は、現役時代の平均標準報酬額により計算されます。

50歳未満の場合、65歳までにどの程度給与や賞与をもらうかはかなり未知数ですので、年金見込額を計算してもあまり意味がないといえます。

ただ、「年金分割のための情報通知書」の「対象期間標準報酬総額」欄に記載された夫婦双方の数字を見れば、年金分割をすることにより年金見込額がかなり増えるのか、それほどでもないのかは、ある程度分かります。

つまり、「対象期間標準報酬総額」欄に記載された夫婦の金額がかなり異なれば、年金分割によりかなり年金見込額が変動することになりますし、夫婦の金額があまり異ならなければ、年金分割により年金見込額はさほど変動しないことになります。

最終更新日 2022年12月13日

この記事の監修者
弁護士・監修者
弁護士法人ひいらぎ法律事務所
代表 社員 弁護士 増田 浩之
東京大学卒。姫路で家事事件に注力10年以上。神戸家庭裁判所姫路支部家事調停委員。FP1級。

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