父親でも子どもの親権を取りたい
最終更新日 2022年12月13日
父親、男親でも子供(子ども)の親権を取りたいのですが、どうすればよいでしょうか?
そのようなご相談が寄せられることがあります。
- 母親の方が親権をとるのに有利であるということを聞く
- 父親だと親権をとることができないのだろうか
- 離婚後も自分が親権者となって子どもを育てていきたい
と思われる方もおられると思います。
このように、母親が親権をとることの方が多いようであるけれども、自分が子どもを育てたいので、父親でも子どもの親権を獲得したいという場合にはどうすればよいのでしょうか。
母親であるからとか、父親であるからということだけで親権が決まるわけではありません。
親権者を決める基準としては、おおむね
- 監護の継続性
- 奪取の違法性
- 母性優先の原則
- 監護能力
- 面会交流の許容
- 子の意思
- きょうだいの不分離
と言った要素から判断することになります。
母親がお子さんを連れて家を出ていき、別居が長引くと、母親が①監護の継続性という実績を積むことになります。
お子さんが小さい場合には、子どもにとって母親が重要という点から③母性優先の原則がとられることになります。
こういった事情から、母親の方が親権をとるのに有利であると思われるのです。
ただ、あくまでも①~⑦の要素から総合的に判断されるます。
たとえば、
- 子どもを連れて行った母親が、子どもの世話をきちんとしいない
- 子どもが深夜まで起きているなど生活リズムが乱れている
- お菓子が食事代わりとなっている
- また小学校への入学手続きも済ませていない
など、監護に問題があるというような場合には、父親でも親権をとれる可能性があるでしょう。
また、近時、約5年間子どもと別居状態にあった父親に親権を認めるという裁判例が出ました(平成28年3月29日千葉家庭裁判所松戸支部)。
この裁判例では、父親が、自分が親権者となった場合には、母親と子どもの交流について、年間100日に及ぶ面会交流の計画を提示していたことなどから、親権者を父親とすることが、子どもが両親の愛情を受けて健全に成長することを可能とすると判断したのです。
たしかに母親が親権をとるという場合の方が多いですが、それは具体的事情によって変わるものですので、父親であるからということだけで親権をとれないというわけではありません。
当事務所は、父親からの親権についての相談も多く受けておりますので、多数のノウハウを持っていますので、父親でも子どもの親権を獲得したいとお悩みの方は、お気軽にご相談ください。