熟年離婚|お金の問題や不安を解消するには?
最終更新日 2022年12月13日
子どもの自立、配偶者の態度に我慢ができなくなった、第二の人生を歩みたいという思いから、熟年離婚を検討する方が多いようです。
しかし熟年離婚の際には、長年築き上げた財産や退職金、年金の分割など、今後の生活にかかるお金に不安が残る方も多いかと思います。
そこで、今回は熟年離婚とお金の問題についてご説明します。
熟年離婚とお金の問題
熟年離婚と年金
ここ30年で約6倍に増えた50代、60代の熟年離婚ですが、近年に年金分割制度が導入されたことで、さらに加速しているといわれています。
前述のとおり、熟年離婚の後、年齢のために再就職が困難となるケースは多く、安定的な収入として年金が確保できるかどうかはとても大きな問題となります。
年金分割にあたっては、結婚してからの年金受給期間がどれだけあるか、また、平成20年4月以降の婚姻期間がどれだけあるか、という2点がポイントとなります。
年金分割では、年金のいわゆる2階部分、すなわち、厚生年金や共済年金に限って分割の対象となります。
まず、平成20年4月以降の対象期間については、そのうち妻が専業主婦だった期間に限られますが、妻が請求すれば、夫の厚生年金の標準報酬の2分の1につき分割を受けることができます(「3号分割」といわれるものです。)。
次に、平成20年3月までの対象期間については、分割することと按分割合を決めることについては、原則としてお互いの合意が必要となります(「合意分割」といわれるものです。)。
そして、按分割合は、最大2分の1であり、分割割合の下限もあります。
離婚後の生活プランを立てる上では、以上のような年金分割制度をしっかり理解する必要があります。
当事務所では年金分割制度の利用について、ご相談を承っています。どうぞお気軽にご相談下さい。
熟年離婚と財産分与
上記の年金分割によって得られる年金だけでは生活できない方は多いかと思われます。
その補填という意味でも重要となってくるのが離婚に伴う「財産分与」といえるでしょう。
再就職が難しい熟年世代の離婚においては、この「財産分与」でいくら受け取れるのかが離婚の可否を左右すると言っても過言ではないでしょう。
まずは、夫婦の共有財産や実質的共有財産をしっかり把握しましょう。
共有財産や実質的共有財産として代表的なものは、
- 不動産
- 預貯金
- 生命保険、個人年金保険
- 株式、投資信託
- 自動車
- 退職金
などです。
双方の共有財産や実質的共有財産がどれだけあるのかを一度洗い出し、そのうち、自分が受け取れる分与の割合がどれだけになるのかを把握しましょう。
ただし、場合によっては事前の調査や、分与の割合を検討する必要があります。
また、財産の受け取り方や選別に関して最も良い方法を検討する必要があるでしょう。
財産分与に関してご不明・ご不安な点があれば、当事務所にお気軽にご相談ください。
おわりに
今回は熟年離婚とお金の問題についてご説明しました。
離婚後の生活プランを立てるうえでは、年金分割制度や財産分与についてしっかりと理解し検討しておく必要があります。
年金分割では、年金のいわゆる2階部分、すなわち、厚生年金や共済年金に限り分割の対象となります。
財産分与については不動産、預貯金、生命保険、有価証券、会員権、車、その他高価品、退職金などがあります。
どちらが何を、いくらもらえるのかは夫婦間で話し合っても良いです。
しかしあくまで離婚であるため、スムーズに話し合いが進まない場合があります。
そのような場合は弁護士を介して財産分与を進めることで比較的スムーズに進行することができます。
熟年離婚前には、離婚後も何不自由なく生活できるか、生活プランをしっかり立てるようにしましょう。