相手と話ができない方へ
最終更新日 2024年9月10日
- お互い感情的になるので、話ができない
- 夫に言い負かされるので、話ができない
- 夫のDVが怖くて話ができない
そのようなお悩みをよく聞きます。
ことによると、不貞や離婚条件のお悩みよりも、
「相手と話ができないんです」
というお悩みを聞くことのほうが多いかもしれません。
夫や妻と話ができない事情はさまざまです。
多数のご相談をお受けしてきて、典型的なケースは以下のとおりです。
お互い感情的になってしまうケース
- 家事を分担してほしい
- 生活費を支払ってほしい
- 離婚に応じてほしい
そうした気持ちを伝えると、相手も言い返してくる。
お互い感情的になるので、きちんと話ができない。
こうした状況が、「話ができない」とのご相談の中で最も多いケースです。
このケースは、要するに性格の不一致ということになるでしょう。
このケースでは、相手と話ができれば、婚姻費用や離婚の合意の余地があります。
ただ、当人同士では、感情的になってしまうので、信頼できる第三者を立てて話し合うことが大切です。
夫のモラハラが原因のケース
- 夫に普段から馬鹿にされているので、話を切り出せない
- 夫がいつも正論を振りかざし、言い負かされるので、話を切り出せない
- 夫からなじられたり、脅されたりするので、話を切り出せない
こうした精神的DV、モラハラ(モラル・ハラスメント)がらみのケースが、「話ができない」とのご相談の中で、次に多いケースです。
一見、上記の性格の不一致と似ているように思えますが、モラハラは性格の不一致とは異なります。
まず、多くの場合、夫が加害者、妻が被害者になります。
また、夫は、自分が正しいと思っているので、自分が加害者だと思っていないことが多いです。
他方、妻も、自分が悪いと考えがちなので、自分が被害者だと思っていないことが多いです。
そのため、被害が顕在化しないまま深刻化し、妻が適応障害やうつ病を発症することもあるようです。
このケースでは、妻が、まず被害を認識することが大切です。
そのうえで、夫と交渉するのですが、ご自身で交渉すると、さらにモラハラを受け、交渉を断念させられるおそれがあります。
モラハラ夫は、独善的で強情なので、話し合っても合意に至ることは稀です。
そこで、法的手段による解決を図るため、早めに信頼できる弁護士に相談しましょう。
夫のDV、暴力が原因のケース
日ごろからDVを受けていると、さらにDVを受けるのが怖いので、話ができないのは当然です。
また、日ごろからDVを受けていなくても、2、3回シリアスなDVを受け、それがトラウマとなり、話ができなくなることもあります。
このケースでは、妻は被害を認識していますので、まずは、勇気をもって、夫に気づかれないように、警察や配偶者暴力相談支援センターに相談することが大切です。
弁護士は、DVそのものを阻止するというよりも、刑事告訴、DV保護命令申立、離婚などの手続を代理するものとなります。