協議離婚の進め方と進める際の注意点について
最終更新日 2022年12月13日
離婚は些細なケンカから発展することもあります。
夫婦間の関係が冷えてしまい、これ以上一緒に生活ができないと感じたときに、離婚を検討する方がいらっしゃるかと思います。
相手に非がある場合でも、できる限りもめずに双方が納得する形で、円満な離婚ができればよいですよね。
本記事では、離婚手段のひとつである協議離婚について、また協議離婚の進め方と注意点についてご紹介します。
協議離婚とは
協議離婚とは、審判離婚や裁判離婚と違い、双方の話し合いで折り合いをつけ、弁護士や裁判所を通さず、市区町村の役場に離婚届を提出する離婚方法です。
協議離婚は、うまく利用すると、早期に、費用をかけず、柔軟な条件で離婚することができます。
ですが、いっときの気持ちで、何の情報も得ずに離婚をしてしまうと、財産分与や養育費など、離婚前に決めなければならないことが決まっていなかった場合、後日トラブルの原因となり、かえって時間や費用がかかるおそれがありますので、注意が必要です。
協議離婚の仕方
協議離婚は、必要事項を記載し、夫婦が署名押印した離婚届を市町村役場に提出すればできます。
協議離婚に最低限必要な決めごとは、離婚の合意と、お子さんがいる場合の親権者の合意です。
ただ、協議離婚にあたり、養育費、面会交流、財産分与、慰謝料などの離婚の条件も文書にしておかないと、後日、「言った」、「言わない」といったトラブルになるおそれがあります。
そこで、夫婦間で、協議離婚にあたり、離婚協議書を作成することをお勧めします。
離婚協議書とは、離婚の条件について夫婦間で決めた合意書のことです。
もっとも、離婚協議書を交わしただけでは、協議書で決めた約束が守られない場合、訴訟を起こし確定判決を得るなどしなければ、相手の財産の差押えなどの強制執行ができません。
そこで、訴訟を起こし確定判決を得るなどしなくても、直ちに強制執行できるようにするために、執行認諾文言付の公正証書を作成します。
また、合意により年金分割をする場合、公正証書が必要な場合があります。
協議離婚前の話し合い時に注意するポイント
こちらでは、協議離婚前の話し合いの際に注意するべきポイントをご紹介します。
可能であれば別居してから話し合う
離婚について大筋で合意しており、若干条件を調整するだけであれば、自宅で同居したまま話し合いが可能です。
他方、離婚について合意できていない、離婚は合意できているが諸条件で開きがある場合は、話し合いは難航しがちです。
そうした場合は、お子さんを連れて別居していないと、先方のモラハラやDVに屈したり、子どもをどちらが引き取るかでもめたりしやすいため、可能であれば、いずれかが家を出て別居してから話し合いをしましょう。
喫茶店、ラウンジなどで話し合う
あまり考えたくはありませんが、話し合いの途中で先方が感情的になり、暴力を振られたり、ものを投げられたり、話し合いどころではなくなることも考えられます。
この点、喫茶店やホテルのラウンジは、人目があるので、そうした事態をある程度防ぐことができますので、おすすめです。
子どもを他所に預ける
話し合いの時には、ヒートアップしてしまうことがあります。
もしも大声で罵声を浴びせ合っているときに子どもが聞いてしまったら、心に大きな傷跡を残してしまうこともあります。
離婚の話し合いの内容については、子どもに聞かせたくないのではないでしょうか。
先に親や友人に子どもを預かってもらい、二人だけで話し合いができる環境を作りましょう。
第三者の立会、又は録音を残す
せっかく話し合いをしたのに、後に言った言わないの水掛け論になっては困ります。
そこで、双方の親や中立的な第三者に立ち会ってもらい、話し合いの経過や結果を確認しておいてもらうとよいでしょう。
また、話し合いの状況を正確に残すため、録音を残すのもよいでしょう。
スマートフォンやICレコーダーを使う方が多いようです。
離婚協議書、公正証書を残す
話し合いの結果、口約束をして、離婚する方もいるかと思います。
ですが、口約束では、後日、言った言わないになり、もらえるはずの養育費や財産分与をもらえないおそれがあります。
そこで、話し合いの結果は離婚協議書、必要により公正証書にしましょう。
おわりに
本記事では、離婚手段のひとつである協議離婚について、また協議離婚の進め方と注意点についてご紹介しました。
協議離婚の際は、自身はもちろん相手の生活も考えることで円満に進行することができます。
しかし、離婚前に決めなければならないこともありますので、協議離婚の際も弁護士に相談しておいた方が後々のトラブルをなくすことができます。
離婚についてお困りの方は、ぜひ当事務所までご相談ください。