養育費を支払わなくなった夫に養育費を支払わせるには?

最終更新日 2022年12月13日
離婚の際に、未成年の子供を引き取る場合は養育費を取り決めることが多いです。
しかし、実際に子供と別居してしまった途端に取り決めたはずの養育費を支払わなくなる親が多くいます。
もしも養育費が支払われなかった場合はどうすればよいのでしょうか?
当記事では、一人で子供を育てているにもかかわらず、片方の親から養育費が払われなかった場合の対策や、必ず支払ってもらう方法についてご説明いたします。
養育費を必ず支払ってもらう方法
養育費が支払われなくなるのは、きちんと対処をしていないケースがほとんどです。
そもそも養育費の支払いは、生活保護義務に基づき支払いが義務付けられているものです。
生活保護義務とは、別居している親の生活レベルと同程度の生活を子供にも保持させる義務のことであり、食事や医療費はもちろん、学費や衣類代等必要最低限以上の内容を含む、子供の生活全般に関わる内容となっております。
そういった、離婚後の子供が幸せになるためには必ず養育費を支払ってもらう必要があります。
以下に具体的な対処方法についてご説明します。
公正証書の作成
離婚前に、まずは養育費をきっちり取り決めて、公正証書にしておくことが重要となります。
こちらの証書を作成することにより、不払いが発生した場合でも、直ちに別居親の給料等の差し押さえが可能となります。
公正証書の原本は公証役場で保管されますので紛失の恐れがなく、別居親が言い逃れをすることはできません。
公正証書については下記の記事でより詳しく記載しております。
また、離婚調停や養育費の調停で、養育費を取り決めておくという方法もあります。
督促する
離婚協議書や調停調書で相手が約束した養育費を支払わなかった場合、まずは相手に連絡を入れましょう。
それでも連絡が取れなかったり、電話を無視されたりするなどで養育費が支払われなかった場合、配達証明付きの内容証明郵便で督促します。
配達証明付き内容証明郵便とは、書留式で手渡しになる郵便で、差出人と送付先に同様の書類が残り、配達日も証明されます。
記載内容は滞納している養育費の金額や、支払いを求める旨、もしも期間内に支払わなかった場合に厳格な手段を取る旨を記載しましょう。
給与等の差押え
それでもなお支払ってもらえない場合は、相手の給与等を差し押さえることになります。
これはご自身でもできないことはないですが、難しいようでしたら、弁護士に依頼することをお勧めします。
経済的理由で支払ってもらえない場合
上記で支払ってもらう方法について記載いたしましたが、それでもなかなか支払ってもらえない場合があります。
以下、それぞれのケースでご紹介いたします。
再婚相手との生活を優先
別居相手が再婚し、その生活を崩したくない場合に発生します。
結論、法的な手続きを行い、支払いを命じます。
とはいえ、やはりお互いの生活に関わる事柄になりますので、まずは当人同士で話し合い、これまで通り支払いを求めましょう。
低所得の場合
別居人の所得が低い場合、支払う意思があっても支払えない場合があります。
前提として、所得に関係なく支払い義務はあります。
しかしこの場合は、相手と話し合い、いくらなら可能なのかを確認した上で養育費の減額を検討する必要があります。
自己破産した場合
この場合でも、養育費の支払いは免除されることはありませんので、これまで通り支払いを求めましょう。
ただし、低所得者の場合と同様、いくらまでなら支払いが可能なのかを相手に確認し、場合によっては養育費の減額を検討する必要があります。
前夫が養育費を支払わなくなりました。支払わせるにはどうしたいいですか?
養育費不払いに悩む妻養育費の不払いでお困りですね。
当事務所には、そのような相談も多く寄せられています。
前夫が養育費を支払わなくなったときは、まず、前夫に催促してみましょう。
単に支払いを忘れているだけかもしれません。
もし催促しても支払ってくれなければ、調停等で養育費を決めている場合は、裁判所にお願いして履行勧告してもらいます。
それでも支払ってくれない場合は、公正証書や調停調書、確定した判決書等がある場合は、ただちに前夫の給料等を差し押さえることができます。
そうした書類がなく、単に合意書や誓約書、口約束しかない場合は、まず調停や訴訟を起こし、調停調書や確定した判決書を取得したうえで、それらをもとに前夫の給料等を差し押さえることになります。
もっとも、前夫が無一文ですと、現時点で差し押さえるべき財産はないことになります。
差押えについては、ご自身で行うことは困難ですので、弁護士に依頼しましょう。
当事務所は、給料等の差し押さえのノウハウがありますので、お気軽にご相談ください。
おわりに
養育費を支払ってもらえなかった場合についての対策や支払ってもらう方法についてご説明いたしました。
養育費については、公正証書を作成した上で支払いがされなかった場合、まずは当人同士で話し合い、それでも応じなかった場合は法的手段を取る、という流れが基本となります。
子供を引き取って離婚する際は、必ず養育費を払ってもらうために離婚公正証書を作成するようにしましょう。