再婚禁止期間(待婚期間)が廃止されました

再婚禁止期間,待婚期間

最終更新日 2023年10月30日

  • 離婚しても、すぐに再婚できないと聞いた・・
  • 制度が変わったと聞いたが、よくわからない・・

そのようなお悩みはありませんか?

でも、今後は心配無用。近時の民法改正により、再婚禁止期間が廃止されました。

具体的には、令和4年12月10日成立の民法(親子法制)等の改正に関する法律により、再婚禁止期間を定める民法733条が削除されました。

施行日は令和6年4月1日であり、同日以降の婚姻に適用されますので、施行日前の婚姻は従来どおりなので注意が必要です。

ここでは、従来の再婚禁止期間について簡単に触れるとともに、近時の廃止についてご説明します。

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(従来)再婚禁止期間(待婚期間)

男性の再婚

再婚をする場合、男性は離婚後すぐに再婚する事ができます。

これは旧法のときから、離婚後すぐに再婚しても良いと認められているのです。

すぐにということは極端に言えば、離婚した翌日に再婚したとしても民法上は問題ないとされています。

女性の再婚

離婚後すぐに再婚できる男性とは違って女性には、再婚禁止期間が定められています。

民法上、離婚から100日を経過した後でなければ再婚することはできないとされています。

そもそも、民法により婚姻の成立の日から200日を経過した後、または婚姻の解消の日(離婚)から300日以内に生まれた子どもがその婚姻に関する夫の子と推定されます。

女性が離婚後すぐ再婚すると、出生した子どもが前夫と現夫のいずれの子かわからなくなるおそれがあり、そうした事態を防止するために設けられています。

再婚禁止期間の規定を守らなかった場合

基本的には再婚禁止期間内に婚姻届は提出できません。

しかし、誤って再婚禁止期間内に受理された場合、これは公益的取消しと呼ばれる「婚姻障害がある場合の733条違反 再婚禁止期間内の婚姻」に該当し、婚姻の取消原因となります。

再婚禁止期間の計算には注意

「前婚の解消または取消しの日から起算して100日」というのが、再婚禁止期間の計算の仕方になります。

しかし、期間の計算は民法140条により、初日不算入が原則となりますので注意が必要です。

これは「~から何日」といった場合に、原則として初日を含まないということになりますが、例外として期間の最初が0時0分0秒と、秒単位できっちりと0時から始まる場合には初日を含めます。

(従来)再婚禁止期間の例外

再婚禁止期間の例外ただし、次のような場合には、例外的に再婚は禁止されません。

  • 前婚解消の前から懐胎していた子を出産した後に再婚する場合
  • 夫の生死が3年以上不明との理由で離婚判決があった後に再婚する場合
  • 夫の失踪宣告により婚姻が解消した後に再婚する場合
  • 前婚の夫と再婚する場合
  • 女性が受胎能力のない年齢に達している場合

近時法改正

令和4年12月10日、民法(親子法制)等の改正に関する法律が成立しました。

施行日は令和6年4月1日であり、同日以降の婚姻に適用されます。

それによると、

  • 再婚禁止期間を定めた民法733条が削除
  • 民法772条に「・・女が子を懐胎した時から子の出生の時までの間に二以上の婚姻をしていたときは、その子は、その出生の直近の婚姻における夫の子と推定する。」との第3項が追加

とされました。

後者は、わかりにくいですが、要するに、子を妊娠してから出産までの間に複数の婚姻がある場合は、最後の夫の子と推定される、ということです。

あくまで「推定」ですので、最後の夫が嫡出否認の訴えを提起して勝訴すれば、その前の夫の子と推定されることになります(民法772条4項の追加)。

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おわりに

以上のとおり、従来、男性は離婚後すぐに再婚できるのに対して、女性は100日間という再婚禁止期間が定められていましたが、

近時法改正により、再婚禁止期間は廃止されました。

当事務所では離婚に関してのご相談はもちろんのこと、再婚についてもご相談を承っております。

お悩みの方はお気軽にご相談ください。

最終更新日 2023年10月30日

この記事の監修者
弁護士・監修者
弁護士法人ひいらぎ法律事務所
代表 社員 弁護士 増田 浩之
東京大学卒。姫路で家事事件に注力10年以上。神戸家庭裁判所姫路支部家事調停委員。FP1級。

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