最終更新日 2021年7月20日
ご相談
Xさん(30代・女性・会社員)は、結婚後1年を過ぎた頃から家庭内での態度が冷たくなった夫Y(30代・男性・会社員)から性格の不一致の理由にYから離婚を求められ、別居を余儀なくされました。
Xさんは、Yから離婚を求められる理由がわからず、今後どのように対処していけばいいのかもわからない状態であったため、今後の対応方針を相談するため当事務所を訪れました。
当事務所の活動
当事務所は、当初、XさんがYと離婚することについて迷われている様子であったため、Xさんに対し、離婚を避けたいのであればYとよく話し合ってみることをアドバイスしました。
しかし、その後の夫婦間の協議は深まらず、Yから離婚調停を申し立てられるに至ったことから、もはやYとの以前の生活に戻ることはできないと考え、納得のいく条件で離婚することを求め、当事務所に離婚調停の手続代理を依頼されました。
受任後、当事務所は、離婚調停において、Yが離婚を求める理由があまりに一方的なものであるため、Yに対し、引き続き離婚を求めるのであれば十分な解決金を支払うよう求めました。
しかし、Yは、Xさんの要望を一顧だにせず、その後の調停での話し合いを経ても離婚条件について折り合いがつかなかったため離婚調停は不成立となりました。
しかし、本件においてYが離婚を強く求めていたことから、当事務所は、Yの考えを探りながら時間をかけて交渉を続けることにより有利な条件で協議離婚を成立させることができると考え、
離婚調停が終了した後も、解決金の支払を拒むYに対し、このままの状況では離婚訴訟による解決は避けられず、紛争の長期化を招くことや当方が求める解決金の根拠等を説明し、早期解決のために解決金の支払が必要であることをYに対して繰り返し説得しました。
活動の結果
当事務所の行った説得が功を奏し、最終的に、相当額の解決金を支払って離婚することをYに納得させ、離婚調停が不成立となってから1年経たずにXさんに有利な条件で協議離婚を成立させることができました。
解決のポイント
離婚調停において、双方の求める条件に折り合いがつかず調停が不成立となって終わることはよくあり、そのような場合、事案によっては、離婚訴訟に突入するなどして紛争が長期化・泥沼化することもあります。
その一方で、調停不成立となった後も相手方に対して説得等を続けることで相手方の誤解を解いたり、相手方の理解を得たりして早期に協議離婚ができる場合もあります。
今回の事案では、早期に離婚したいという相手方の気持ちをこちらに有利な材料として使って粘り強く交渉を続け、離婚訴訟に突入した場合
とは比較にならないほど早期に、かつ、良い条件で紛争を終結させ、依頼者の求める結果を得ることができました。