最終更新日 2022年6月2日
ご相談
Xさん(30代、女性、専門職)は、夫Y(30代、男性、勤務先不詳)との間にお子さんをもうけ、Yと住宅ローンを組んで住宅を購入しました。
しかし、Yが定職につかず、浪費を繰り返したことから、離婚を切り出したところ、殴る蹴るのDVを受けたため、実家に避難して別居し、当事務所を訪れました。
当事務所の活動
当事務所が受任通知を行うと、Yも弁護士を付けましたが、Yとお子さんとの面会や、住宅ローンの負担でもめているうちに、Yの1人目の弁護士は辞任してしまいました。
その後、Yの2人目の弁護士から受任通知がありましたが、Yは、住宅ローンや浪費による借金を支払えないので、自己破産するとのことでした。
Yの自己破産後、住宅ローンを残されたXさんもやむなく自己破産することとなり、当事務所の申立により、Xさんも破産、免責が認められました。
双方破産後、積み残しとなっていた離婚の条件について、Xさんの意向を確認したところ、支払われるかどうかもわからない養育費のために、子どもをYに面会させたくないとのことでした。
活動の結果
そこで、養育費も面会交流もおおむねなしとの条件で、協議離婚を成立させました。
本件では、Yが浪費したとはいえ、Yの自己破産や免責を阻止できるほどの事情ではなく、Yの自己破産の道連れでXさんも自己破産せざるをえないという、Xさんにとっては気の毒なケースでした。
ただ、Xさんは、住宅ローンと夫婦関係をようやく整理でき、ほっとした様子でした。
解決のポイント
離婚協議においてできることは限られていましたが、細心の注意を払いました。
というのも、Xさんが養育費を放棄しても、面会交流は子どもの利益と考えられているので、Yがいったん放棄しても、後日の調停で面会交流が認められるおそれがありました。
そこで、面会を求めた場合は養育費を請求できるとの条項を盛り込むことで、そうした事態を防止することとしました。