最終更新日 2022年6月2日
ご相談
Xさん(20代・女性・無職)は、夫であるY(20代・男性・自営業)との間の子を妊娠した後、婚姻したものの、Yから明確な根拠もなく男性関係を疑われました。Xさんは、Yとの婚姻関係の継続を求めたものの、Yがそれに応じず、結局、XさんはYとの協議離婚に応じることを余儀なくさせられました。協議離婚後、Xさんは、Yに対して養育費の支払いを求めましたが、Yは、子との父子関係を否定し養育費の支払に応じなかったため、養育費の支払について取り決めをするため、Xさんは当事務所に相談に訪れました。
当事務所の活動
本件は、科学的な調査だけでは父子関係が肯定も否定もされない特殊なケースでしたが、当事務所は、科学的な根拠以外にもXさんが妊娠した当時の様々な事情から、子の父親がY以外に考えられないことについての複数の証拠を収集した上で、養育費の支払を求めるために調停を申し立てました。その後、当事務所は調停の期日外でもYとの話し合いの場を持ち、その中で、証拠を示しつつ子とYとの父子関係が存在することを説明し、養育費の支払に応じるよう説得をしました。
活動の結果
その結果、Yは父子関係を認め、調停においても父子関係を争うことなく、申立てからわずかな回数の期日を重ねただけで養育費に関する合意が成立しました。また、養育費の金額についても、当初Yが提示してきた金額は相場をかなり下回るものでしたが交渉の末、相場を上回る金額の養育費の支払について合意することができました。こうして、当事者同士の協議では決まる見通しのなかった養育費の支払に関する合意を、調停申立てからわずかの期間で得ることができました。
解決のポイント
養育費の問題は、当事者本人間の協議において納得のいく調整がつかないことが多く、特に、こうと決めたら結論を譲らない夫との交渉において妻はしばしば不満足な内容で引き下がらざるを得ないことが多いと思われます。その場合に、法的な見地から自身の主張が認められないことを説明して、夫の理解を得、合理的な解決を早期に図るためには、早い段階で弁護士を間に入れて夫との交渉を行うことが大事です。