離婚協議書の作成によりスピード離婚を実現した解決事例

最終更新日 2022年6月3日

ご相談

Xさん(30代・男性・会社員)とY(30代・女性・パート)は、長女誕生後、Yの仕事のことで喧嘩をすることとなり、不仲となりました。

ある日、Xさんは自宅の引出から離婚届を見つけ、以降、家にいること自体がつらくなりました。

その後、Yが2人目を妊娠していることが発覚し、Xさんは子どもたちのために復縁をYに申し出るも、Yが拒否し、破綻が決定的となりました。

Xさんは、長女の親権を求め、Yは長女の親権と慰謝料を求め、争いがありました。

しかし、Yが経済的に2人の子どもをすぐに監護することは困難であったため、長女はXさんの実家で預かっていました。

そこで、離婚を無事成立させたいとのことでXさんから当事務所に相談がありました。

当事務所の活動

Xさんは、慰謝料の支払いをするのは気が進まないが、いくらか解決金として支払えばYと離婚ができるのであれば、支払うとのことでした。

ですので、親権以外には争いはありませんでした。

親権の点が落ち着けば、離婚協議書作成プランでもお受けすることが可能となります。

親権についてより詳しく聴取すると、Yは、親権というよりも、長女を自身の近くに置いておきたいということでした。

そこで、当事務所は、親権と監護権を分属させる方法を提案しました。

ただ、通常、親権と監護権の分属は子の福祉に適うものではありません。

そこで、条項としては、「親権はXが取得するが、Yが長女の監護権を求めた場合には、子の福祉を尊重して、監護者の指定と長女の引渡しについて協議する」というものにしました。

この案が受け入れられれば、争点は存在しないことになり協議プランではなく、協議書作成プランでも可能となります。

当事務所の活動の結果

当事務所の案がYに受け入れられ、離婚協議書作成プランでお受けし、XさんとYは無事離婚協議書を交わすことになりました。

これにより受任後わずか2週間足らずでのスピード解決となりました。

解決のポイント

本件の解決のポイントは、親権と監護権の分属を試みた点にあります。

ただ、親権と監護権の分属は、実務上好まれない傾向にあります。

子どものために契約などの法律行為をする者と子どもの身の回りの世話をする者が別々になるのは、子どものためにならないと考えられるからです。

調停や訴訟では、まず裁判所は親権と監護権を別々にはしません。

他方で、協議の段階であれば、合意により、親権と監護権の分属も視野に入れた解決が可能になります。

しかし、上記した親権と監護権の分属の不都合性から、子の福祉について尊重されるよう配慮する必要があります。

そこで、子の福祉を尊重して、協議するという文言にすることで、不都合性をクリアしました。

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