最終更新日 2022年6月2日
ご相談
Xさん(40代、女性、パート)は、ある日仕事から帰ると、夫Y(40代、男性、会社員)が置手紙を残して家を出た後であり、近くYの弁護士から通知が来るのに備え、進学を控えたお子さん達を第1に考え、Yに戻ってきてほしいものの、それが無理であれば、金銭的な処理をきちんとしたいと考え、当事務所を訪れました。
当事務所の活動
その後、Xさんは、Yから離婚調停を申し立てられたため、当事務所は、これにかぶせて婚姻費用分担調停を申し立て、調停において、離婚意思がないことを伝え、離婚調停を不成立とするとともに、婚姻費用を要求し、婚姻費用の調停が成立しました。
ところがその後、お子さんたちがそれぞれ遠方の国立、私立の大学に進学し、その際、受験に伴う費用、入学金、授業料、教材費、下宿代、その他もろもろの費用がかさむにもかかわらず、Yが分担を渋ったことから、婚姻費用の増額調停を申し立てました。
増額調停において、Yは、自身の生活苦を訴え、入学金、授業料以外は分担しないなどと主張したため、調停は不成立となり、とうとう審判に移行しました。
そこで、当事務所は、Xが主張するもろもろの費用を精査して絞り込むとともに、婚姻費用算定表が依拠する統計資料が幅広い費用を基礎としていることを指摘するなど、主張立証に万全を期した結果、婚姻費用の大幅増額を認める審判を獲得することができました。
活動の結果
こうして、Yは、すぐに離婚できないばかりか、住宅ローンに加え、多額の婚姻費用を支払う羽目になり、いよいよ根負けしたのか、婚姻費用相当額の養育費を支払う、住宅をまるまるXさんに分与するなど、経済面で大幅譲歩するので、すぐに離婚してほしいと提案してきましたので、Xさんは協議離婚に応じることとしました。
Xさんは、当初、離婚後の学費や自身の生活に不安を抱えておられましたが、十分な養育費と住宅を確保できたことから、大変ほっとしている様子でした。
解決のポイント
お子さんの進学費用などの特別経費について、配偶者に分担を求めるため、婚姻費用の増額調停を申し立てる例は多いものの、多くの場合、相手方から生活苦を主張されたり、婚姻費用算定表に織り込み済みであるとの反論を受けたりすることが多いものです。
当事務所は、離婚事件における豊富なノウハウに照らし、効果的な主張立証を行った結果、婚姻費用を最大限増額することに成功しました。