最終更新日 2022年6月20日
ご相談
Xさん(50代、女性、会社員)は、夫であるY(40代、男性、会社員)が育児に非協力的であることから育児に関する問題を一人で抱え込み、知人男性に相談に乗ってもらっているうちに、同人と肉体関係を持ってしまいました。
その後、Yに不貞事実が発覚し、夫婦双方が離婚方向で協議する方針となったことから、XさんはYと離婚条件について話合いを行い、その中でYが求めてきた多額の金銭を慰謝料としてYに支払いました。
しかし、Yは、その後も離婚条件として追加の慰謝料の支払を求めるとともに親権や養育費の点でXさんの意向と相容れない条件を提示し、話が前に進まない状況となったことから、今後の方針を相談すべく当事務所を訪れました。
当事務所の対応
当事務所は、Xさんから協議離婚に向けてのYとの交渉について依頼を受けましたが、既に相当額を支払っているにもかかわらず引き続きXさんに対して慰謝料の支払を求める点や養育費の額の点で話が平行線となったため、当事務所は離婚調停等の申立てを行い、本件においては既に相当額の慰謝料を支払っているので更なる慰謝料の支払を離婚の条件とするYの主張は不当であること、Yの主張する養育費額は本件事案における相当額からはかけ離れた金額であることなどを主張し、相当な条件での調停離婚の成立を求めました。
当事務所の対応の結果
Yの請求する不貞慰謝料の点については、調停の早期の段階で、調停委員から、本件においては既に相当額を支払い済みであるとの意見を受けることができたことから、早々に離婚条件からは外れることとなり、養育費の点についても、適切な主張立証を継続して行って調停を優位に進め、最終的に、Yに対して追加の慰謝料を支払うことなく、親権や適切な額の養育費を取得できるようにするというXさんの当初の目的を果たして調停離婚することができました。
解決のポイント
不貞が離婚原因となる場合の多くは、夫婦間の感情面での対立が非常に強くなるため、不貞した配偶者側が他方配偶者の要望をほぼすべて受け入れるなどしない限り、離婚条件についての交渉が難航します。
もっとも、本件のように、他方配偶者が主として求める離婚条件が法的に相当でないと評価できるものであるときは、調停の場で不当性を明らかにしてそれらの主張を排斥し、適正な条件で離婚の結論を得ることが可能です。
本件では、当事務所の持つ離婚事件の豊富なノウハウを駆使して、有責配偶者と評価され得る立場に置かれた依頼者に満足のいく結果を提供することができました。