離婚は合意。低収入でも親権を取れるか?相談事例に弁護士が解説!

最終更新日 2021年9月29日

質問

専業主婦です。

離婚する予定ですが、親権をお互いに譲らないのですが、どうすればよいですか?

離婚理由は軽いDVと言葉の暴力と自分の言う事は絶対という支配力。子供も私も、疲れています。

子供は父親が怖いため本当の気持ちを父親に言えません。

私には早く家を出たいと言います。

小学●年の●の子で●●で、●●という難病があります。

主人は一度も病院など行ったことないです。全て私任せでした。障害の理解もなく怒りすぎることもあります。

私の、収入が●万ほどだと親権とれませんか?主人は収入が●万です。とりあえず別居を考えていますが、子供を連れ戻されないか不安です。

弁護士からの回答

親権についてお悩みですね。

離婚する予定とのことで、夫婦双方ご離婚そのものには同意していることを前提としてご説明いたします。

協議離婚するには、子の親権者を夫婦のいずれにするかを決め、離婚届に記載する必要がありますので、親権者を夫婦いずれにするかについて合意できないと、協議離婚することはできません。

そこで、夫婦いずれかが離婚調停を申し立て、調停においても親権者について合意できない場合は、離婚訴訟において裁判官に離婚後の親権者を決めてもらうことになります。

ただ、本件では、夫は子の病気や障害について理解が不十分であり、実際に子の世話をすることは難しいと思われますので、夫にその点を指摘して説得し、親権を断念してもらうことができればそれに越したことはありません。

かりに説得が功を奏しないとしても、相談者様のこれまでの監護の実績等を考慮すると、相談者様が現在ご病気で子の面倒を見ることができないといったご事情がない限り、離婚調停や離婚訴訟で親権を取ることは可能と思われます。

この点、相談者様は、ご自身の収入が夫の収入よりも少ないことを心配しておられますね。

たしかに、ご夫婦双方の収入は、親権者決定の判断材料の1つではありますが、夫から養育費を受け取ることが期待できること、児童手当や児童扶養手当の受給が期待できることから、親権者決定の決め手にはならないものと考えられます。

とはいえ、親権をめぐり夫婦で争うことになれば、さらなるDVなどが考えられますので、まずは相談者様が子を連れて別居することをお勧めします。ご事情がご事情ですので、別居そのものが違法とはなりにくいでしょう。

ただ、別居後、学校帰りなどに夫が子を連れ去ることはままありますので、別居にあたっては、学校や警察に協力を要請するなど、注意が必要です。また、本件はDVのケースですので、市町村に住民票の写しの交付制限をかけてもらえば、夫に新住所を知られて押しかけられるおそれは低いでしょう。

おおむね以上ですが、なおご不明な点がございましたら、お気軽に当事務所にご相談ください(予約制です。)。

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