最終更新日 2021年9月29日
質問
私は●年前からうつ病で、休職復職を繰り返し、一昨年の●月から休職しほぼ無給です。(来年●月に休職期間満了となり解雇されます。)
子供や私に対する妻の虐待・暴言に恐怖を感じ、一昨年の●月から別居しています。
妻は働いています。婚姻費用は別居後合計●万渡しています。
私は数年前から離婚を考えていましたが、今●歳と●歳の子供がいるので切り出しませんでした。
今月末に離婚申し入れをメールでする予定です。(パニック発作を起こしてしまうため直接の面会も電話もできません。)
離婚するに当たって心配なのは財産分与です。今の財産は預金額は600万円、家・土地、車です。
婚前預金(贈与)や障害年金などの特有財産?、家建築に借りた住宅ローン(完済)相当分は共有財産?など、分からないことばかりです。
働けず収入もありませんのでできるだけお金は残しておきたいのです。
一円も渡したくない訳ではなく、妻が許してくれるできるだけ少ない額にしたいと思っています。
別居後、つい最近までは第三者として専門家の方にお願いして厳密に公正証書を作成して将来もめることのないようにすることを考えていましたが、最近は妻の怒りを逆なでして時間も手間もかかる本格的な争いになることは避けたいと考えるようになりました。(精神的にも体力的にも裁判まで進んで争うのはしんどいです。)
妻も子供(親権は渡します)に対して「離婚する」という言葉を発していますが、真意かどうか分かりません。
分与は今払える預金500~600万以下でできるだけ早く、穏便に離婚を確定させたいです。
ただ、解雇されればもらえるであろう退職金と家のローン相当分を分与しなければならないとするともっと高い額になるかも知れません。
自分自身、都合の良い考えではないかと思ってしまうのですが、上記のような状況でどう話を進めたらよいのか大変悩んでいます。
交渉の仕方と条件について、妻側に私の提案/条件が妥当であると冷静に受け止めて呑んでもらえるように最大限注意を払っていこうと考えています。
お電話やメールでご相談できるようでしたら、有料でも構いません。
より状況や金額についてお伝えした上でアドバイスをいただけたらと思います。
弁護士からの回答
長い間うつ病でご苦労されているうえ、奥様からの相談者様やお子様に対する暴言、虐待があり、さぞかし大変であっただろうと心中お察しします。
奥様に離婚の申し入れをしようと思うけれども、どのように話を進めていけばよいのか悩まれているということですね。
相談者様が心配なされている財産分与について回答させていただきます。何が財産分与の対象になるのか分からないとご不安ですよね。
財産分与は、婚姻期間中に夫婦で共同して築いた財産を分けるというものです。
したがって、相談者様の婚姻前の預貯金や相談者様が受けた贈与、障害年金は財産分与の対象にはなりません。
今の預貯金が600万円ということですが、別居時点の預貯金の残高から、婚姻時の預貯金の残高を差し引いた金額が財産分与の対象となります。
住宅ローンは完済されているということですが、住宅ローン相当分を分与しなければならないということはありません。
住宅ローンではなく、土地建物が財産分与の対象となります。土地建物を奥様に渡すということであれば、それ以上財産を分ける必要はないかもしれませんし、土地建物を相談者様がもらうということであれば、精算金として奥様にいくらか支払う必要があるでしょう。
退職金が出るとすれば、退職金も財産分与の対象となります。
ただ、退職金が出るかについては、一度ご確認されたほうが良いでしょう。
また、相談者様が婚姻前からお勤めであるということであれば、退職金全額が財産分与の対象ということではなく、婚姻期間に応じた分のみが対象となります。
財産分与は相談者様の財産と奥様の財産を足し合わせて半分にし、最終的に双方の保有する金額が同じようにするものですので、奥様に渡す金額をできるだけ少なくしたいのであれば、奥様の預貯金等の財産の資料も提出してもらったうえで計算する必要があるでしょう。
相談者様はうつ病で苦しんでおられ、そのうえ奥様から暴言等もあったのですから、相談者様のお悩みが、相談者様の都合のいい考えだということはないと思います。
奥様に相談者様の提案が妥当なものであると冷静に受け止めてもらうためには、財産分与はきちんとするつもりはあるということを説明したうえで、資料等も示して、相談者様の提案がきちんとした金額であるということを示すとよいでしょう。
また、奥様の怒りを逆なでして本格的な争いになることは避けたいとのことですが、後々に紛争にならないようにするためにも、離婚協議書は作成しておいたほうがよいと思います。
質問に対する回答は以上です。
相談者様はパニック発作を起こしてしまうというご不安を抱えられており、ご自身で奥様と交渉するのはとてもお辛いことかと思われます。
弁護士が奥様との交渉を代理することにより、交渉にかかる相談者様のご負担を肩代わりすることができます。
遠方にお住まいとのことですが、もしも、ご自身での交渉が難しい場合には、当事務所までご相談ください。