最終更新日 2021年9月28日
質問
不倫したことを会社にばらされたことについて。
昨年●月に夫にばれるまで、職場の男性と不倫関係にありました。
夫と私と相手の男性は皆同じ会社に勤務しています。その後は関係を解消し、夫婦は両家庭とも再構築を選んでいます。
不倫が夫にばれた際に、相手の男性に「会社を辞めて欲しい」と頼んだところ、相手の男性は会社の部長に不倫の事実を話しました。
業務時間内の出来事もありましたが、それ以外の時内容や、夫との話し合いの内容、車を買い換えるお金をあちらが払ったこと、辞めて欲しいと夫から言われていること等です。
相手が話した部長は、常務と総務部長に話し、個人の問題なので会社としては関わらないと最初は言いました。
が、三人で夫を呼び出して聴取を行ったり、退職をお願いするのを辞めろ、金をもらったんだから許してやれと言ったり、あちらの味方をして夫を責めたりがありました。
結局、会社に居づらくなり私は退職することにしましたが相手の男性を不倫をばらしたことで名誉毀損で訴えることはできないでしょうか。
弁護士からの回答
相手の男性が不貞の事実を会社に告げたことにより、相談者様が会社に居ずらくなり退職を考えるようになったこと、ご心痛お察し申し上げます
相手の男性が第三者に不貞の事実を告げた場合、それが相談者様に対する名誉棄損となる可能性があります。
名誉棄損といえるためには、①人の社会的評価を下げる事実を、②不特定多数に伝播(第三者に広く知れ渡るという意味です)するように告げたことが必要です。
まず、不貞をしていたという事実は、①の人の社会的評価を下げるものといえます。
相談者様の場合、問題となるのが②の不特定多数に伝播するように告げたか否かとなります。
通常、夫に浮気をされた妻が、浮気相手の女性の会社に不貞関係を裏付ける写真や手紙等を送付する場合には、職場に不貞事実が知れ渡る可能性がある行為といえ、②の不特定多数に伝播するように告げたといえる可能性が高いです。
しかし、相談者様の話では、相手の男性は、相談者様の旦那様から会社を辞めるように言われ、そのことを相談するかたちで、会社の部長に不貞をしていたという事実を告げており、不特定多数に伝播するように告げたとはいえない可能性があります。
もっとも、相手の男性が、職場の不特定多数の人に対し、不貞の事実を話していたりした場合には、②の不特定多数に伝播するように告げたといえ、賠償請求をすることができる可能性があります。
また、相談者様は、相手の男性から会社に対し、公表されていない私生活上の事実である不貞の事実を告げられたことにより、相談者様のプライバシー権が侵害されたとして、賠償請求をすることができる可能性があります。
仮に、名誉棄損やプライバシー権侵害による賠償請求が法的に成り立たないとしても、相手の男性に対し、慰謝料などを支払ってもらうよう話し合うという方法もあります。
また、相手の男性が、今後、会社内で不貞の事実を第三者に告げないように、念書等を作成しておくのがよいかと思います。
質問に対する回答は以上です。
まずは、相手の男性と賠償請求、念書等について話し合うことをおすすめします。