最終更新日 2021年9月30日
質問
離婚して夫の面会交流についての相談です。
私が調停を申し立てして離婚が成立しました。
私が親権者で●歳になった男児の母親です。
月に一回、三時間程度と調停で決まりました。
いざ面会しようと思った際に揉めました。
私は保護者付きでなければ面会は出来ないと元旦那に言いましたが、元旦那は、そんなこと取り決めしてないと両者譲れなかったので面会はなしにしました。
それが●月の話です。離婚成立は●月●日にしました。
●月末から別居してます。
●月に入って、その事を元旦那が家庭裁判所に申し立てし私は履行勧告を受けている状態です。
元旦那は3人でもいいから会いたいと家庭裁判所を通して言ってきており、私は元旦那の携帯電話とメールを消して分からない状態。
家庭裁判所からはメールを送っても返信がないから私から元旦那に送って欲しいという内容に同意しました。
家庭裁判所には言ってませんが連絡先が分からない状態。
実際は会わせることに納得がいかず、その理由は人間的に信用できない、将来は再婚したい等々。
父親の権利、子供の権利も重々承知ですが行動にうつせなく日々悩んでおり日々精神的苦痛な日々です。
因みに●月になったら引っ越しを考えており携帯電話も変更した場合、家庭裁判所からの罰金とかはあるんでしょうか。
どうなっていくのか日々不安な毎日です。
会わせない方法はないんでしょうか。
弁護士からの回答
元旦那様を人間的に信用できないため子に会わせたくないが、裁判所から履行勧告を受けている状態であり、大変不安な思いをされていることであろうと心中お察しします。
面会交流は、子の健全な成長のために行われるので、子に精神的な負担をかけることのないように十分配慮して、実施されることが必要です。
したがって、面会交流を実施することによって、お子様の健全な成長を阻害するような事情があれば、面会交流を拒否することができる場合があります。
一般的に面会交流を拒否し得る理由としては、
- 非監護親による子の連れ去り又虐待のおそれがある等の子に危害が加えられる場合、
- 非監護親が薬物等を使用している等の子どもの精神状態・生活環境への悪影響が懸念される場合、
- 子が拒絶する場合
等が主に挙げられます。
相談者様の場合、お子様が幼く、裁判所からは自らの意思を表現することができないと判断されるため(おおよそ10歳程度から子の意思が考慮されます)、③が面会交流拒否の理由となる可能性は低いです。したがって、相談者様としては、面会交流を実施することで、①の子どもに危害が及ぶ場合や、②の精神状態・生活環境への悪影響が懸念される場合等を理由として、面会交流を控えてもらうのが良いかと思われます。
相談者様が、元旦那様に面会交流を実施したくない理由をきちんと説明する方法として、現在、元旦那様の連絡先が分からないという状況ですので、面会交流禁止の調停を申し立てるという方法も一つの手段として考えられます。
調停の場で、面会交流の取り決めについて、もう一度話し合われるのはいかがでしょうか。
次に、面会交流に応じない場合の相談者様への不利益について説明致します。
相談者様は、現在、裁判所による履行勧告を受けている状態とのことですが、これには強制力はなく、これに応じないことによって罰金が科せられることはありません。
しかし、履行勧告に従わない場合、元旦那様が間接強制の手続きを行う可能性があります。
これは、子に会わせないことについて金銭支払(罰金)を命じて強制するという手続きです。
具体的には、裁判所が1回会わせないたびに相談者様に金銭を支払えという命令を行います。
もっとも、間接強制が認められるのは、①日時又は頻度、②各回の面会交流時間の長さ、③子の引渡しの方法等が具体的に定められている等、監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえるときに、④間接強制を許さない旨の合意が存在するなどの特段の事情がない限り可能とされています。
調停調書において、右要件を満たす程度の具体的な取り決めがなされていないのであれば、間接強制が認められる可能性は低いといえます。
また、元旦那様から面会交流を実施しないことについて、慰謝料請求をされる可能性もあります。
これは、子に会わせないことについて精神的苦痛を被ったことを理由とする賠償請求です。
以上の点から、まずは、面会交流を実施したくない理由を元旦那様に伝え、再度、面会交流について話し合われるのがよろしいかと思います。
また、お一人で悩まれるのは大変お辛いことかと存じますので、お気軽に当事務所までご相談ください。